今は、もっぱら来春の出版に向け、ひたすら執筆作業の毎日だ。
膨大な書物や資料を確かめながらの執筆は、本当に骨が折れる。
そうした作業の中で、医薬品卸の経営は今後、このままでは立ち行かなくなるだろう
との懸念が生まれてくる。
営業利益率が2009年度0.29%というのは異常としか言えない。
メーカーと比較するのは妥当ではないが、製薬大手4社平均では17%だ。
そうした危機感から、卸はフィービジネスに方向転換し、また調剤薬局のチェーン化に
活路を求め、医療機関や調剤薬局向けの顧客支援システムの販売は、今や4大卸の
経営の立て直しのための重要なビジネスモデルとなっている。
しかし、4大卸の決算資料を読み解くと、「営業利益」の構成比に関しては、医薬品卸事業
以外の「その他事業」で際立っているのが、スズケンの57.9%であり、東邦の20.4%である。
アルフレッサは11.8%、メディパルは0.3%である。スズケンは子会社の三和化学の営業
利益の寄与もあるだろう。
この「その他事業」が育ち、営業利益率向上に寄与するまでには、まだ道のりは遠い。
全体的に”レッドオーシャン”の域を脱し切れていないと感じざるを得ない。
さて、この結論は新刊書に譲ろう。